2年縛り撤廃という名の罠…改めて料金の根拠を知ろう!
こんにちは!
記事にするのがかなり遅くなりましたが、このところキャリアの2年縛りについての報道が非常に多いです。当ブログでもその点については何度か記事中で触れております。
しかしそこで何度も言ってますが、2年間の縛り自体はおかしくはないのです。というよりそれでかなりユーザーは恩恵を受けていました。
SIMロックがかかっていますが端末代を全額2年割賦で支払え、その分は通信料金に上乗せされてもシステムとしては非常に分かりやすいものでした。
その端末代は結局基本料金や通信料金に上乗せされていましたが、それでも実際に総額からみると最新のハイスペック端末を気軽に機種変更できたのは世界的にみても日本だけじゃないでしょうか?
ところが残念ながら政府が余計なことをしてしまった。動くタイミングとツッコむ部分を完全に間違ってしまったんですよね。
その結果どうなったか?
ユーザーは2年縛り止めろと言い、キャリアはそれにかこつけて値上げを目論んだわけです。1GBのプランだってあんなの値下げじゃあない。根本の料金が変わってなくて見た目の最低料金を下げただけですよ。
さすがにそれに騙されるユーザーは少ないでしょうけども、キャリアはそれで値下げに関しての仕事は完了。あとは2年縛りをどう誤魔化すか?って話になるわけで、その答えが2年経過後の解約自由化です。もちろん本来の形はこれなんです。間違っていない。でも今回キャリアの取った施策は明らかにおかしいんですよ。
というわけで非常に前置きが長くなりましたが、今回はキャリアの打ち出した『2年縛り撤廃の罠』についてです。あとそもそもこれまで2年縛りの料金は何だったのかについても書きます。これまでの料金の根拠が崩れているんで。
キャリアが2年縛り撤廃?それはどういう意味なのか?
今回のキャリアが行う『2年経過後の解約自由化』をおさらいします。現時点では明確に料金プランを提示しているのはSoftBankとauですが、docomoも恐らく同様の内容で追随することと思われます。⇒ドコモ、「2年縛り」を見直し 2年経過後はいつでも無料解約できる新契約プラン導入へ | アプリオ
- 通常2年契約を条件に基本料金が値下げ(4,200円⇒2,700円 1,500円値下げ)
- 契約月を入れて24ヶ月以内に解約すると9,500円の違約金が発生
- 契約後25〜26ヶ月目は違約金不要
- 上記期間内に解約しない場合、自動更新で再度2年契約開始
というのがこれまでの流れでした。ところが新料金プランはこのようになります。
- 2年契約を条件に基本料金が値下げ(4,200円⇒3,000円 1,200円値下げ)
- 契約月を入れて24ヶ月以内に解約すると9,500円の違約金が発生
- 契約後25ヶ月〜解約はいつしてもよい(違約金不要)
一見お得に見えなくもないですが、実際はそれほどでもないわけですよ。
以下にいくつかパターンを提示します。前提としてそもそも違約金が発生しないように2年使用するとします。ということはまず料金の差額300円×25ヶ月分=7,500円は発生するとお考えください。
その上で現状の料金とどう変わるのかについて書きます。
パターン1.25ヶ月目にMNPする場合
1番このパターンが多いと思うんですけど、これだと実際に全く得をしません。むしろ損ですね。なぜかというと通常の2年縛りだと違約金がかからないのに7,500円多く支払っているわけですから。
ということはこのパターンでは全く今回の新料金プランを活用できません。
パターン2.27ヶ月目以降にMNPしようと思っている場合
27ヶ月目以降にMNPする算段で契約する人はあまりいないと思いますが、一応参考までに。
元々の違約金が9,500円ですから、27〜31ヶ月の間にMNPや解約をするのであればそこまでの通常の2年縛りとの差額合計は8,100〜9,300円なので損はしないかなぁってところですが、そもそもそんな先を見越して契約する人はほぼ皆無でしょうからまぁ机上の空論ですね。
パターン3.もしかしたら3年目くらいに解約するかもしれないから保険として新プランにする場合
このパターンを選ぶとすればよほどのアホです。養分とはこういう人のためにある言葉でしょう。
3年目にMNPor解約する場合ですと36ヶ月ですからその差額は300円×36ヶ月=10,800円なんですね。すでに損してます。保険としてもクソもないですね。
基本的にユーザーで得をする人はほとんどいないクソプラン。ただのキャリアの罠
ユーザーは超特殊な場合を除いてほとんど得をしません。
これはただのキャリアの罠ですよ。総務省さん、2年縛りをなくしましたよ〜。へへへってポーズですよね。
ただここで考えて欲しいのです。2年縛りになっている理由というか根拠を。
キャリアがやっていることはこれまでの基本料金へのただの上乗せってことに。
なぜ2年縛りになっているのか?その根拠とは?
2年縛りとは2年間の契約を条件に通常料金を安くしますよってことですよね?
これはいいんです。その結果、各社1ヶ月あたり1,500円安くなっています。
じゃあその料金の根拠ってなんでしょう?
通常2年契約する際に端末も一緒に購入します。もちろん持ち込みや自動更新になった場合もありますが、一般的には端末の同時購入がセットでしょう。そして端末を購入するにあたって月々の通信料金の割引があります。
その通信料金の割引って2年契約じゃないとしてくれないんですよ。つまり前提として2年契約前提の端末代であり基本料金であり通信料金なわけです。
ここ大事です。
2年間使うこと前提で料金を作っているのに2年経過後に解約自由化で値上げは不当
2年間使う前提の料金プランである以上、25ヶ月目以降はキャリアは基本的に丸儲けなんですよ。つまりキャリア的には端末買って2年経ったら元本回収は済んでるわけです。もちろんキャリアの利益上乗せしてです。だからこそ2年縛りが批判されているわけですよ。
なのに2年縛り撤廃しますよ〜、その分値上げしたプランを用意しますよ〜、嫌なら元のプランで使ってね〜ではただの値上げ、もしくはポーズですよね。
というか選べる時点で悪質。
キャリアがまず行うべきことはほぼ現行プランで2年経過後の解約自由化
まずはこれですよね。もしくは前提となるプランも含めての抜本的なプラン改正でしょう。
キャリア3社の利益は莫大なものなわけです。つまり現行プランで充分に儲かっているということ。であればなぜ値上げの必要があるのでしょうか?
実質無料無くしますよと一応なってますが、それでも2年割賦で端末を購入できるというのはユーザーに取って依然として大きなメリットです。これを崩せというわけではないんですよ。
どうぞ最初の2年間で利益をあげてください。ただ、割賦が終わってどうしてその後も縛られる必要があるのか?
見出しのほぼ現行プランというのは2年経過後に2年縛りのない料金(=4,500円)に移行せずにという意味です。総務省はまずここから指導すべきだったのでは?
大抵の人が2年割賦での契約前提なのだから2年契約で縛るのもそもそもおかしいのでは?
上でほぼ現行プランのままでよいと書きましたが、何度も言うようにほとんどの人が2年割賦で契約するわけですよ。それでいて2年契約前提の料金プランを作って、2年間契約すれば1,500円割引しますよと安く見せかけているんですね。
そもそもここがおかしい気がします。途中で解約すれば違約金を支払った上で残りの割賦も支払わなければいけないわけです。もちろん端末を割賦で購入していますからそれは当たり前なんですけど。
じゃあ持ち込みの人は安くなるの?契約後2年経過したら安くなるの?ってなると安くならないんですよ。何がどうあろうと2年契約しなければ4,500円なんです。
だから持ち込みだろうとなんだろうとみんな2年契約しているんですよ。ということは不当に高い料金を払わされているということではないでしょうか?
これってよく言われてますがほとんど二重価格表示ですよね。
2年割賦を組む、もしくは一括で購入しても2年契約すれば月々の通信料割引があるということは端末代込みで基本料金が設定されているわけです。
であれば本来縛るべきは2年割賦を組んだ人のみではないでしょうか?そうすると一括で購入したお客さんや持ち込みのお客さんの流出があるかもしれませんが、それは企業努力で顧客を繋ぎ止める方向にシフトすべきでしょう。
つまりぬるま湯を業界全体で作り上げてサービスをないがしろにしているってことですよ。横並びな料金を見ればカルテル的なものがあるのは明々白々。
総務省が切り込むべきはこの業界全体の寡占状態でしょう。そうなると公取委なんですかね?いずれにせよ行政がもっと深くまでメスを入れないと、ユーザーを舐め腐ったキャリアの態度は変わらないと思います。
まとめ
今回のキャリアの動きは完全にユーザーを舐めています。携帯電話が生活に無くてはならない以上、また公共の電波を使用している以上、これは日本国民を舐めているということと同義です。キャリアにとっての認識は国民全員養分ってことですね。
こんなポーズだけで済まさないようにこれから全員でしっかり声を挙げてキャリアに訴え続けなければなりません。
ネットでもなんでも意見を発信していきましょう。
ではでは