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楽天がMNOになれたとしてこの先生きのこれるのか……?

こんにちは!

11月14日、かなり衝撃的なニュースが飛び込んできましたね!

なんと、楽天が携帯電話キャリア事業への新規参入を目論んで、1.7GHz帯と3.4GHz帯の電波帯の取得を目指すと発表したのです。

携帯キャリア事業への新規参入表明に関するお知らせ | 楽天株式会社

docomo、SoftBank、KDDI(au)による実質3社寡占が10数年続いてきた日本で、『第4のキャリア』が生まれることになりますね。

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ただ、携帯電話キャリアへ新規参入するというのは当然カンタンなものではありません。販売ノウハウなどについてはMVNOとしての経験もありますし、楽天モバイルで一定の顧客も抱えていますからそういう部分ではそこまで心配はないでしょう。

単純に莫大な資金が必要になるという点。

イニシャルコストもランニングコストも尋常ではない金額がかかるわけです。

ですからせっかく新規参入できたとしても利益を出して事業を軌道に乗せられるか?この先生きのこれるか?というところが気になりますよね。最悪楽天本体ごとぶっ飛んでしまいます。それだけリスクがあるわけです。

じゃあなんでそんなハイリスクな事業に手を出すんでしょう?

もちろんぼくは楽天の経営陣ではないですから、実際にどのようなビジョンがあるのかは全くわかりません。ですが、ざっくりとデータなどから携帯キャリアがどれだけ金がかかるのか?について考えると共に、楽天がこれから先生きのこれるのか?についても考えてみたいと思います。

楽天が新たな携帯電話キャリアになる…のか!?

自社で基地局を設置し、携帯電話キャリアとして事業を行うためには総務省から電波帯を割り当てられなければなりません。電波は国民の共有財産ですから、総務省が管理しているんですね。

テレビやラジオ、船舶無線などもそうですし、もちろん携帯電話やPHSも電波を利用しています。ですが、時代に合わせて使わなくなる帯域が出てくるわけです。

これを改めて総務省が割り当てるんですが、楽天はこれに手を挙げるという発表をしたわけなんですよ。

携帯電話キャリアはとにかく金がかかる

現在日本全国津々浦々まで通信エリアがあり、日本国内においては少なくとも通信を利用できない場所がないといってもいい状況です(一部例外アリ)

これを維持し、さらに拡げるにはどのくらいコストがかかっているんでしょうか?

docomoを例にざっと見てみましょう。

財務ハイライト : 年度データ | 企業情報 | NTTドコモ

言わずと知れた日本の超巨大企業、且つ携帯電話キャリアの雄であるdocomo。

2017年3月期の決算によると営業収益は約4.5兆円で純利益は6,506億円。ぼくが何人束でかかっても勝てそうにありません。

そんなdocomoの設備投資費は主な財務指標によると、5,971億円。

一般的に広いと言われるdocomoのエリアを維持し、さらに拡げるためにはこれだけの金額がかかるわけです。

楽天はどれだけ投資するつもり?

では翻って楽天はどれだけ投資するのでしょうか?

プレスリリースによると、2019年のサービス開始を予定しており、そこまでに基地局設置のために2,000億円を調達、2025年に6,000億円まで調達するとあります。

サービスを日本全国で展開するのか?それとも都心部のみなのか?(地方は既存キャリアのローミング)によっても違います。さらに今回は1.7GHz帯と3.4GHz帯ですからそれなりに密集して設置しなければなりません。

恐らくですが、まずは都心部でサービスを始めて、地方ではやはり既存キャリアのローミングとなるんではないでしょうか?

楽天の狙いは楽天サービスとのシナジー効果

3社寡占状態で安くなったり高くなったり、3歩進んで4歩下がるときもあれば3歩進んで1歩下がるときもある、はたから見ればカルテルじゃね?と思わせる料金設定が標準化してしまった現状では、新規参入によって競争原理が働くことを期待せざるを得ませんよね。

楽天としては通信事業を中心に据えるのではなく、楽天市場などのショッピングや金融サービス、それら全てに使えて利用できる他社サービスも増えている楽天ポイントとのシナジー効果を狙っているんではないでしょうか?

つまり、楽天としては自社サービスを利用する顧客を確保するために、非常に廉価に通信サービス提供する可能性があるってことです。まぁそれ目的にしては莫大な投資になりますけども。ハイリスクな、まさに『賭け』に打って出たとぼくは認識しています。

MVNOである楽天モバイルよりは安定した通信サービスを提供するけれども、既存のキャリアと比べれば劣る…それでも隙間を狙ったY!mobileやUQモバイルのような料金設定、もしくはさらに低廉な料金設定であれば魅力的だと感じる人もいるはずです。

通信料で儲けを出すのではなく、通信サービスをフックに自社サービスの利用に繋げて儲けを出すのであれば、楽天の目指している契約者数1,500万人というのは案外早くに達成できるかもしれませんね。

まとめ

楽天の新規参入発表でキャリア3社の株価が下がったそうです。というか楽天も下がってるあたり笑えるんですけれど…。

携帯参入の楽天株が急落、競争懸念でドコモなど通信株も軒並み安 - Bloomberg

ただ、これで分かるのは、『現状キャリア3社は儲けすぎ』ってことですよね。今後、競争原理が働くかもとなるとすぐに市場が反応したんですから。

楽天が実際に参入して、どのようなプランを発表するのか?ここに注目したいですね。

そして、願わくばカルテル(仮)に飲まれずにやっていただきたいものです。

ではでは